三菱自動車



 一連のリコール隠しが表立って、元社長の逮捕ということになって、国土交通大臣に「走る凶器」とまで言われてしまった三菱自動車。それ以降、三菱車が何か起こす度に新聞やテレビがセンセーショナルに取り上げるところはさすがマスコミ。車の火事って、実は結構な件数起きているのだが、今まではニュースにすらしなかったのにね(苦笑)。

 学生の時の友達が三菱大好きで、ミニカに乗っていた。中古で30万ちょっとだったか、結構いい値段で、それもホンダのディーラーにあったものを一目ぼれで買ったというから大したものだ(笑)。当時カーマニアだったわしは、自分の車や、そのミニカのメンテを手伝ったりしていたのだが、そのミニカが車検だというので、自力で車検を通してみようということになった。なにせディーラーに出したら、いろんなところを直され部品交換させられ、あっという間に十万は超える。これがユーザー車検だったら一万円ちょっとで済んでしまう (はず。うろおぼえ)。なわけで、車検の日を決めて、いろんな雑誌を買いあさって情報を仕入れて、車検に必要な用紙を買ってきて記入して、当日に備えた。

 当日、八事の検査場に持ち込んだ。まづは書類手続き。これは準備に抜かりなかったおかげであっさりパス。そして実際の検査場へ車を乗り入れ、ヘッドライト、ブレーキライト、排気ガス、いづれも問題なし。メーターも40km/hでばっちり。そしてジャッキアップされて床下数ヶ所をハンマーで叩かれる。これも問題なくいった。そしてジャッキが降ろされた時に聞いた言葉は、
「不合格です」
なぬ〜〜〜!?
きけば、プレッシャースイッチというところからオイル漏れしているとのこと。前日一応床下を覗いた時は問題なさそうだったのだが、ジャッキアップしないと分からないような奥深くの漏れだったらしい・・・。

 その日のうちなら再検査可能とのこと。なので車を走らせて自宅近くの整備工場へ。
「プレッシャースイッチ? 今日は手に入らないよ。修理費用はX千円はするね」
つれない返事・・・。ここで諦めてしまっては、車検の印紙代が無駄になってしまう。修理工場を後にしたわしは考えた。
「行きつけのコンビニの隣に三菱のディーラーがあったはず」
そこは間口も狭く、タワーパーキングを装備していて、ショールームも車二台くらいしか展示できないような小さなディーラーだったが、三菱のマークが確かに光っていたのを思い出した。

 店に駆け込んで事情を説明すると、作業着を着たお兄さん。
「わかりました。一度部品取り寄せ聞いてみますね」
待つこと10分。
「今日の二時までに手に入ることになりましたよ」
二時から直してもらって、その足で八事へ向かえば今日中の車検ギリギリ間に合う。わしは車を預けて一旦帰った。

 で、二時。ディーラーに行って見ると、ミニカはまさにジャッキアップされて修理されているところだった。手術室の前で医師の報告を待つような心境で待っていたわしに、先のお兄さんが話しかけてきた。
「なおりましたよ。見てみますか?」
ジャッキアップしてるミニカの床下に案内してくれて、問題の個所を見せてくれた。たしかにジャッキアップして手を奥の方に突っ込まないと分からないような個所だった。こりゃ、床下覗いただけじゃ絶対わからんわ。さらにありがたいことに、
「車検場向けに床下も拭いておきましたから」
うわ〜〜〜〜。そんな、普通に車検をお願いしたら十数万かかるのを、部品一つ交換してもらうだけだったのに、それもそこのお店で買ったものでもないのに、そこまでしてもらえるなんて〜〜〜(ToT)。さらに修理費用も、先の修理工場より安かったし。もう、三菱(のディーラー)様には足を向けて寝られませ〜〜〜ん!

 そんな思い出のあるディーラー、1999年に再びそばを通ってみたら、閉店していた・・・。よすぎるお店であったがために閉店したのか、近所にもう一つ大きなディーラーがあったから負けてしまったのか・・・。

 いづれにせよ、三菱のニュースを見る度にあのディーラーのことを思い出す・・・。

Posted: Fri - July 2, 2004 at 09:32 AM          


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