おかあさんといっしょを見て泣けた話

1年ほど前に書いたネタが下書きで残っていたので上げてみる。

NHKの子供向け番組「おかあさんといっしょ」。

もはや説明の必要がないほど定番の幼児向け番組。毎回楽しい歌と踊りのおにいさんとおねえさんに、キャラクターたちが出てきて、その周りをリアルな子どもたちが参加するという安心安定のフォーマット。見せる方も安心、一緒に見ても安心。とにかくこのために受信料払っててよかったと言っても過言ではない。子供が三歳になったら全力でスタジオ参加に応募して、いざ参加が決まったら全力で有給を取ろうと思う、そんな親馬鹿魂をくすぐる番組。

そんな番組が、夏休みのある日、スタジオを飛び出して外からの収録で放送していた。場所は愛知県の結構大きな病院。おそらくロビーなのか、背後の階段を人が行き来しているような場所に椅子を並べて、そこに並ぶ子どもたちの前で、いつものテンションでおかあさんといっしょの番組が始まった。歌や体操のおにいさんおねえさんは、いつものように満面の笑みで歌や踊りを披露していく。普段のスタジオと違って、照明や音響も違うざわついた環境。スタジオとは違って、ステージと観客という完全にセパレートされた会場。子供達は直接参加できないものの、そこにはたしかに「おかあさんといっしょ」の世界が繰り広げられていた。会場の関係からか、キャラクターが一切出てこない進行。その分、歌とお話が多め。さらに病院のスタッフを交えた寸劇。ライブ感があって迫力すら感じた。

そんな番組の構成上、とにかく要所要所で会場の子どもたちの姿が入っている。NHKの編集方針で一人でも多くの子供を映そうとしているのか、とにかくいろんな子どもたちが映る。場所は病院。腕に点滴の針を刺したままの子どもがいるかと思えば、近所の子供が紛れ込んだの?というくらい普通の格好をした子供もいる。そうかと思えば、パジャマ姿で寝ぐせが付いているけども、目を爛々と輝かせて踊る子どももいる。こうしてお兄さんお姉さんを目の前にして楽しく踊っている子どもたちは、辛く苦しい入院生活を一瞬でも忘れられるのだろうな…と思うと、なにかこみあげるものがあった。

やがて番組はエンディングの「ブンバ・ボーン」。ノリノリで飛んだり跳ねたりする曲。その合間に映る子どもたちは、入院患者であることを忘れるくらい元気に飛んだり跳ねたり楽しそう。歌のおにいさんおねえさん、そしてこの曲が持つパワーはすごいのだなと思った次の瞬間写ったのは、ストレッチャーに横たわったまま、虚ろな目をしながらも手を振り上げてる子ども。もうね、おっちゃん涙腺崩壊(´Д⊂ 。どこぞの24時間テレビよりもよっぽど泣けたし、仮にこの後で番組が募金を始めたら、全力で振り込みしていたと思う。・゚・(ノД`)・゚・。

変に、
「はい、この人達かわいそうなのですよ〜。ここで泣くとこですよ〜。可哀想と思ったら募金してくださいね!」
なんて演出するより、ライブからくるありのままの姿、余計な解説も演出もないその姿こそが心に訴えかけるのだと思った。自分が子供を持ったからというのもあるのだろうけれどね。そして、その場に参加していた全ての子供達が、無事退院できてその先健康な生活を送ることができることを祈らずにいられないのであった。

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