コンチネンタル航空 - その2



前回のつづき)

 さてさて、あっという間の三日間が終わり、海里は内定をGet! わしはボストン最終日で飲み過ぎてグロッキーになっていた(苦笑)。一足先に帰る海里を見送ってから数時間後。わしはNewark行きの便に乗るべく、搭乗口で待っていた。飛行機が20分ほど遅れるらしい。Newarkでの乗り換えは50分ほどあるから、まぁそんな急ぐこともないし・・・と思いながら、売店で買ったMacAddictを読みながら悠々と待ち、やがて案内されるがままに飛行機に乗った。前日の飲み過ぎで疲れていたのか、カナダに帰れることに安心しきったのか、わしは手にしたMacAddictを数行読んだだけで、離陸したことにも気づかず寝てしまっていた。

 ふと目が覚めると飛行機は紅葉のきれいな丘陵地帯の上空を飛んでいた。しばらく景色に見とれていたが、なんとなく違和感を感じ始めたそのとき、アナウンスがあった、

「この飛行機は機長が行く先を間違えていました。今から引き返してNewarkに向かいます。3,40分程度遅れて到着する見込みです。」

待てぃっ! なんで飛行機が行き先間違えんねんっ!! 心の中でツッコミを入れながら、陸地の風景に違和感を感じたのは、飛行機が北へ向かっていたからということに気づいた。Newarkへは南西方向に飛ばなければいけないのに、それと逆の方向へ飛んでいることに影を見て気づいたのだった・・・。

 さてNewarkに着陸したのはトロント行き出発の10分前。シートベルト着用のサインはまだ点いているが、そんなこと言うてられない。上着の下でこっそりベルトを外して、タラップに向かう機内で一人焦っていた。またこーゆー時に限って全然進まない。荷物を持って、チケットを見て「87」の搭乗口へ走るシミュレーションを頭の中で組み立てて、ベルト着用のサインが消えるや否や降り口へ走った。すでに離陸五分前を切っている。搭乗ゲートを飛び出し、87番を探した。

右隣のゲートは85番。

よっしゃ! 近いぞっ!

左隣のゲートは88番。

ん?

振り返ると、今降りたゲートが、まさに87番だった(苦笑)。

「トロント行きは40分程度遅れる見込みです」

アナウンスが頻りに流れているところだったヽ( ´ー`)ノ

 さてさて、こうなったら焦っても仕方がないので搭乗の準備が出来るまで待つとするか♪ なんやかやしているうちに40分が経過したが、
「あと10分遅れます」
「さらに5分遅れます」
と搭乗時間がジリジリ延ばされていく。結局1時間が経過したところで搭乗が始まった。

 わしの席は比較的前の方だったので、列の後ろの方に並んでゆっくり進んでいたら、アナウンスが流れ、

「離陸時間が過ぎていますので早く搭乗してください」

周りの人らと苦笑いしながらもぼちぼち乗り込んでいったら、機内のアナウンスでも頻りに、

「もう離陸しなければいけません。少しでも早くご着席ください」

と繰り返されていた。わしは自分の席を見つけ、そこへ座ろうとしたまさにその瞬間、機内アナウンスで流れたのは、

「今すぐ離陸しなければいけません。どこでもいいから座ってくださいっ!

さすがのカナダ人やアメリカ人も椅子取りゲームのごとく席に着き、飛行機は滑走路へ向かい始めた。が、先に飛ぶ予定の飛行機が並んでいるとかでここから離陸まで数十分。何のために急いで座らされたのやら(苦笑)。

 さてさて、離陸した飛行機。真っ暗な空を飛んでいたが、えらい揺れる。ベルト着用のサインはいつまで経っても消えない。そこへ機長のアナウンスが。

「この飛行機は、遅れを取り戻すために回復運転を行います。多少揺れますのでご了承ください」

ちょっと待てや! 飛行機が回復運転って・・・と思ったら、ホントに30分近く早くトロントに着いちゃったよ(苦笑)。

 まぁ何はともあれ無事着いたので安心して荷物を取りに行ったら、無いっ! 聞いてみたら、Newarkでいったん降ろした荷物の仕分けが間に合わなかったらしい・・・(涙)。ていうか、あんなギリギリの乗り換えだったら、それもむべなるかなと・・・。なわけで、用紙にサインアップして、その日は帰りました。なんかコンチネンタルにさんざん振り回されてえらい疲れた・・・(-_-;。

 翌朝、隣のおばちゃんがドアをノックして、わしのスーツケースを持ってきた。

「あなたのスーツケース、私んちの扉の前に置いてあったわよ。ドアが開かなくてびっくりしちゃった(笑)」

もうね、アメリカの航空会社ってこんなもんですわ(苦笑)。

Posted: Tue - December 21, 2004 at 08:48 PM          


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